2023年12月26日(火)
1.背景・課題
近年、自動車は価値観やニーズの多様化から、急速に高機能化が進み、その機能のほとんどがソフトウェアによって実現されており、ソフトウェアの重要性が高まっています。それに伴い、車載ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)数が増加し、ソフトウェアの開発規模も増加しています。この課題に対応するために、多くの完成車メーカーは、サプライヤからソフトウェア・ハードウェアの一括採用を進めてきましたが、ブラックボックス化が進み、昨今の自動車開発技術の加速度的な向上への対応が困難となっていました。
2.採用の経緯・概要
マツダとSCSKはソフトウェアとハードウェアを分離調達し、電動駆動ユニット開発の内製化推進にむけて、2019年より日本初のAUTOSAR準拠の国産車載ベーシックソフトウェア「QINeS-BSW」の適合検証を開始し、「QINeS-BSW」をマツダ仕様の「MNOS※1」に対応させ、ロータリーエンジンを発電機として使用するプラグインハイブリッド「MAZDA MX-30 Rotary-EV」に採用されました。
今後は、次世代電動駆動ユニットの開発に拡大・適用させ、内製化推進を支援していきます。
※1 Mazda Network Operating Systemの略称
3.「MAZDA MX-30 Rotary-EV」概要
「MAZDA MX-30 Rotary-EV」は、日常の幅広いシーンにおいてバッテリーEVとして使える107kmのEV走行距離※2を備え、ロータリーエンジンの発電によってさらなる長距離ドライブにも対応、さらに、その走行の全てをモーターで駆動する独自のプラグインハイブリッドモデルです。
※2 107kmのEV走行距離:日本仕様での「EV走行換算距離(等価EVレンジ)」。定められた試験条件下での数値であり、実際の走行条件等により異なります。
また、ドライバーが急加速を意図してアクセルペダルをある一定の位置以上に深く踏み込んだ場合(一般的なAT車におけるキックダウンスイッチの機能に相当)などは、
必要な出力を得るために発電システムが作動して発電を行うことがあります。